本格手打ちそば 兼続庵

苧（からむし）という植物をつなぎにした蕎麦を提供しています。
独特の香りがあるお蕎麦です。

NHK大河ドラマ 天地人 に登場する上杉景勝の父・長尾政景の墓所入り口近くにお蕎麦屋さんがあります。
商標登録している「苧（からむし）手打ちそば」を提供している「本格手打ちそば 兼続庵」さん。

ちょうどお昼時におじゃましてみました。

住宅を改装したような店内に入り窓際の2人掛けのテーブルに席をとります。
女将さん曰く「人気の席」だとか。

入り口に「苧（からむし）手打ちそば」と書かれた看板がありましたから、それを食べて見たなとメニューをめくります。
お品書きには「苧（からむし）手打ちそば」は無いので、おそらく全てのメニューが「苧（からむし）手打ちそば」なのでしょう。

ということにして（笑）、「天ざる」（1200円）をお願いしてみました。

暫くすると女将さんが「煮上がったばかりのけんちん汁をどうぞ」と「けんちん汁」を持ってきてくださいましたよ。
新潟名物の車麩やなめこ、えのき、大根、人参・・・。
超熱々で、ふうふう、ずるずる、浮いてる油の美味いこと！

「けんちん汁」を堪能し、暫くすると「天ざる」一揃い運ばれて来ました。
山のように盛られた天ぷらが目を惹きます。

それ以上にお蕎麦が独特の雰囲気がありますね。

お蕎麦の産地は新潟県魚沼市産の栃木在来だそうです。
このお蕎麦のつなぎには「苧」（からむし）という植物を使っているのだとか。

「苧」はイラクサ科の植物で、この地方では「苧」の茎の皮の部分から繊維を取り出し、糸にしたもを織物にしていました。
有名なところは重要無形文化財の「小千谷縮」ですね。
「苧」は別名「青苧（あおそ）」ともいいます。

「兼続庵」さんでは「苧」の葉の繊維をつなぎにしているそうですよ。

さて、お蕎麦ですが太めで青みがかった色をしています。
蕎麦の実の白や茶のつぶつぶが見えてますね。

食感はふんわりした歯ごたえ。
オヤマボクチに比べたら優しい口当たりでした。
ちょっと意外でしたね。

香りは蕎麦はほとんど感じず「苧」でいっぱいです。
やや青臭いような独特の香りがあります。
以前、「青苧うどん」を食べたことがあるのですが、同じ香りがしましたね。

天ぷらにも「苧」です。
一番上に「苧」の葉がのっています。
他には姫筍、コゴミ、海老、南瓜、エノキなど。
軽い揚がりで特にエノキは甘みがあって美味しかったですよ。

お店の中にも「苧」の鉢がありましたが、お店の裏手にも「苧」が生えてましたよ。
触ってみたい気もしたが、遠方からの撮影で我慢です。

好みは分かれるでしょうが、私は美味しくいただきました。
やっぱり地方独特のお蕎麦っていいですね。