鶴富屋敷に併設された旅館ですが、食事だけでも利用することが出来ます。
手打のお蕎麦がありました。
椎葉村には平家落人があります。
壇ノ浦の戦いに敗れた平家一族は全国各地へ散り散りに逃げ落ちていきます。
その一部は阿蘇を通って椎葉へ逃げ延び、ひっそりと暮らしていました。
しかしそのことが源頼朝に知られ、平家討伐の命を受けた那須大八郎宗久(那須与一の弟)が椎葉に兵を進めます。
ところが、那須大八郎宗久はひっそりと暮らす落人に同情してしまい、平家の守り神である厳島神社を建て、農耕などを教えながら、自身もこの地で暮らし始めます。
やがて那須大八郎宗久は平清盛の末裔である鶴富姫と出会い結ばれます。
その二人が暮らしたのが鶴富屋敷といわれています。
当時の建物が残っているわけは無いと思いますので、通称として残っているのでしょう。
でも、ロマンがありますよね。
その後、那須大八郎宗久には幕府から帰還命令が出されますが、その時には鶴富姫は子を身ごもっており、「生まれた子が男子なら本国下野の国へ差越すべし、女ならそれに及ばず。」と言い残して帰っていったそうです。
生まれてきた子供は女の子で、長じて婿をとり那須性を名乗らせ、代々その子孫が椎葉を支配していったそうです。
椎葉村の民家は同じ様な作りをしているそうですが、この鶴富屋敷はその代表的なものです。
間取りが部屋を一列に横に並べた形式で、急勾配の多い山中に建てるための工夫がなされています。
鶴富屋敷にあった案内板によると、上の写真のような間取りになります。
入場料は大人200円で建物の内部へも入ることが出来ます。
さて、ここからようやく蕎麦についてです。(笑)
鶴富屋敷の受付にいたおばあちゃんに「この辺で蕎麦を食べられるところはありませんか?」と聞いてみたら、鶴富屋敷に併設されている『旅館 鶴富屋敷』さんにつれてかれました。
メニューが無かったので、「かけそば」をお願いしてみました。
料金は、たぶん800円だったと思います。
運ばれてきたお蕎麦は、意外にも細打ちの綺麗なお蕎麦。
見た瞬間はあまりに綺麗だったので、手打かどうかを疑ったのですが、手打のお蕎麦でした。
白っぽい透明感のある汁に柚子の香りが清々しいですよ。
なにより、外は時々雪が舞うような冷え込みだったので、温かいお蕎麦はありがたいですね。
この『旅館 鶴富屋敷』さんでは観光プラン10,500円(税込)以上で国指定重要文化財である鶴富屋敷での夕食ができるそうです。
鶴富屋敷内で食事が出来るというのは魅力的ですね。
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